漫画家みやすのんき氏の最新刊がまさかの… 『走れ! マンガ家ひぃこらサブスリー』
新年早々に驚かされた。
紀伊國屋書店で平積みされていた漫画家みやすのんき氏の書籍。*1
ここはランニング関連コーナー。こんな所で見るはずのない名前である。
本のタイトルは「走れ! マンガ家ひぃこらサブスリー」。
あの漫画を描くみやすのんき氏が、まさかのマラソン本を出していたのだ。
しかもタイトルに輝く「サブスリー」の文字。。。
サブタイルには「運動オンチで85kg 52歳フルマラソン挑戦記!」と書かれている。
52歳、、、だと?。 金哲彦コーチよりも1歳年上。。。
まあ単なるエッセイ本だろうと思い手にとって中をパラパラとめくってみると、これが予想に反した内容。
ご自身の経験も書かれているがそれ以外にも、走りに関する持論やその根拠、ダニエルズ理論に基づいたトレーニング手法の紹介などが書かれている。
なんと目次だけで9ページもあるのだ。*2
練習に役立つ、本格的なランニング書籍としての内容である。
そして惹かれたのが、まえがきに書かれているこの一文。
「絵」という視点からモノを見るマンガ家という職業柄だからこそ気づくことがあります。
そしてケガが多かったからこそ、身体との対話を多くしてきたという自負があります。
という事で、著者の最も健全な著作を買って一読したので紹介。
【2016.01.20 追記】
Amazonで在庫が復活! お早めに。詳細は以下から。
【2016/11/23 追記】
新刊情報を最後に追記。
第1章は持論の展開
第1章は「ひぃこらしないでラクに速くなれる近道はあるのか?」と題してご自身の持論を展開しています。
まずは、ふくらはぎや太ももが肥大化するのはフォームのせいという話しからはじまって、ご自身の考える適切なフォームについての持論が展開されます。
次にスピードを得るための走り方について、着地を含む足の使い方に関する意識の話しから腰高に関する異論や骨盤の話しを通してバネの活かし方に関して説明がなされています。
その後腕振りに関する持論と著者の造語「DHC」に関する話しで第一章は終了です。
第2章はエッセイ
第2章は著者が初めてのフルマラソンに挑戦した時の話しと、それから8年間のブランクを経て再びフルマラソンに挑戦を開始して、その1年半後にサブスリーを達成するまでの紆余曲折が書かれたエッセイの章となっています。
最後には「サブスリー達成の基本条項」と題して、サブスリーが出やすいと考える大会の紹介などが書かれています。
第3章は練習方法の紹介
第3章では「サブスリーに近づくための現実的な練習メソッド」と題して、ダニエルズ理論に基づいた練習方法や、ご自身の練習メニューなどを紹介してくれています。
初めに、VDOT指標の話から始まって、VO2max(最大酸素摂取量)を刺激する練習、LT値(乳酸性作業閾値)を刺激する練習、REを刺激する練習、そして一番重要な練習としているイージーペースランニング(Eペース)の説明が書かれています。
その後に実践編として、ご自身の練習メニューが紹介されています。
またセルフコーチの利点と欠点や、走力アップのためのダイエットに関する考え、加齢に対する考えなどについて書かれています。
その中で実践されているのストレッチがイラスト付きで紹介されています。
本書は以上の3章の構成です。
最強のナチュラルランニング指南書?
まえがきに、著者ご自身の身体の事を書かれています。
- 膝の前十字靭帯が切れていて膝がグラグラで踏ん張りが効かない
- 過去の足首骨折のせいで左右のくるぶしの太さが違ってて可動域が異なる
- 過去の腰骨折のせいで頻繁に腰痛になり病院でコルセットを巻くこともある
- 不整脈、めまいが頻発
こんな人が走っていいのだろうか?と思う状態に思えますが、こんな著者がサブスリーを達成できた走りに対する考え方や練習が書かれているこの本は、もしかするとある意味、最強のナチュラルランニングの指南書なのかもしれません。
「走れ! マンガ家ひぃこらサブスリー」はこちらからどうぞ
本書はこちらからどうぞ。
【2016/11/23 追記】
新刊が出ます!
【参考資料】
みやすのんき氏の本職であるこちらの懐かしすぎる少年漫画が、今ならKindleで無料のようです。
みやすのんき氏よりも1歳若くて、1分ほどタイムの速い方の記事も書いてます。
ダニエルズ理論が気になる方はこちらもどうぞ。
糖質、脂質が気になる方はこちらもどうぞ。
こちらの記事に書かれている書籍での指導が、本著書の中で言及される「既存の指導」に該当するのかと。
*1:青トレ本と一緒に平積みされてるんだものなぁ。
*2:金コーチの マラソン練習法がわかる本 が4ページ、岩本氏の 非常識マラソンメソッド が6ページ。