糖質と脂質の最新情報 - mark 05号はランナー必携の書
ランナーにとって、エネルギー源である糖質は大事ですよね。
その大事な糖質についての最新情報はご存じですか? また悪名高き脂質についてはどうでしょう?
現在発売中の『mark』05号では『野生に還るための食とトレーニング』という特集が組まれています。
その中の「データでみる低糖質ダイエット」の章には他にもこんなキーワードがあります。
「糖新生」、「血糖値」、「肥満ホルモン」、「インスリン分泌能」、「ケトン体」、「Eat Butter」
気になるキーワードはありましたか?
この「データでみる低糖質ダイエット」の章で、私が学んだ部分や衝撃を受けた部分を中心にもう少し紹介します。
- 食べてカロリーになるのは3大栄養素のみ
- 最低限必要な糖質は糖新生で作り出せる
- 血糖値を上げて肥満ホルモンの分泌を促すのは糖質だけ
- ケトジェニックな体質
- もう脂質の摂取を増やすことを恐れてはいけない
- 今週のお題は 「今年買って良かったモノ」
- さいごに
食べてカロリーになるのは3大栄養素のみ
3大栄養素とは、糖質、脂質、タンパク質の事です。*1
糖質、タンパク質は、1gあたり4kcal、脂質は1gあたり9kcal*2のエネルギーになるそうです。
つまり、エネルギー補給としての食事はこの3大栄養素をどういう割合で摂取して必要なエネルギー量を確保するのかという事になります。
アメリカの例が載っています。*3
肥満人口がもっとも多いアメリカでは、70年代以降に脂質を減らす大々的なキャンペーンが行われた結果、2000年団には男女ともに摂取カロリーに占める脂質の割合を減らすことに成功した。
(『mark』05号 P.40より http://mag.onyourmark.jp/2015/10/mark05/83701)
(引用文中の太字はブログ著者にて付けました)
摂取カロリーに占める脂質の割合を減らすことに成功したアメリカの人々の体型がどうなったか、みなさんご存じですよね?
モデル級のスラっとした人々の国になったわけじゃない事はご存知のとおりです。
肥満率は下がるどころか男女ともに逆に右肩上がりで増えた。脂質を減らしたため、相対的に糖質の摂取が増えたのが理由である。
(『mark』05号 P.40より http://mag.onyourmark.jp/2015/10/mark05/83701)
(引用文中の太字はブログ著者にて付けました)
最低限必要な糖質は糖新生で作り出せる
最低限必要な糖質は肝臓で作り出せます。これを糖新生といいます。
糖新生では1時間に6gの糖質が生成されるそうです。この6gで赤血球や角膜、神経細胞で必要な最低限の糖質がまかなえるそうです。
理論上、安静時は糖質は摂らなくてもヒトは生きていける。本来摂らなくても平気な糖質を食べ続けた結果が肥満であり、生活習慣病なのだ。
(『mark』05号 P.40より http://mag.onyourmark.jp/2015/10/mark05/83701)
なお糖新生は代謝活動なのでエネルギーを消費します。糖質は減らしたとしてもエネルギーは十分に摂る必要があります。*4
血糖値を上げて肥満ホルモンの分泌を促すのは糖質だけ
上の言葉は42ページの見出しです。
甘いもの好きの我々にとって、ちょっと衝撃的ですね。
インスリンは常時分泌されているが、血糖値が上がると膵臓から大量に追加分泌される。
追加分泌されたインスリンの働きは糖新生をストップさせると同時に、細胞にエネルギー源となる糖質を取り込ませること。
(『mark』05号 P.42より http://mag.onyourmark.jp/2015/10/mark05/83701)
(引用文中の太字はブログ著者にて付けました)
ランナーの皆様は「カーボローディング」の事はご存知かと思いますので、上記の追加分泌されたインスリンによって取り込まれる糖質の行き先もご存知ですよね。
そうです、筋肉ですよね。
そしてその筋肉に貯えられる糖質の量が少ないこともご存知ですよね。*5
筋肉が満杯になったら次に糖質が貯えられる場所もわかっているかと思います。
はい、脂肪細胞は糖質を中性脂肪(体脂肪)として蓄えます。
体脂肪の原料は、食事から摂った脂質ではなく糖質なのだ。筋肉と違い、脂肪細胞は血糖をほぼ無制限に取り込むから、
(『mark』05号 P.42より http://mag.onyourmark.jp/2015/10/mark05/83701)
(引用文中の太字はブログ著者にて付けました)
もう一度書きます。
「脂肪細胞は血糖をほぼ無制限に取り込む」(震え声)
いくらでもデブれるという事です。*6
でも安心してください。
我々日本人は欧米の方々よりは極端な肥満にはなりづらいようです。*7
日本人はインスリン分泌能が低いために、欧米の方のようにインスリンがドバーッとは出づらいようです。
さらに、ある意味肥満に対するリミッターが付いているようです。。。
なかでもインスリンを分泌するβ細胞は1gほど。糖質過多な生活を続けると日本人は肥満する前に西洋人よりも早くβ細胞が疲弊し、最後はインスリンが出せなくなって血糖値が下げられない糖尿病に陥る。
(『mark』05号 P.42より http://mag.onyourmark.jp/2015/10/mark05/83701)
(引用文中の太字はブログ著者にて付けました)
なるほど。。。
日本人は肥満の道の先には、甘いものやめますか、人生やめますか、の分かれ道がまっているようです。
ケトジェニックな体質
ケトジェニックな体質とは、糖質ではなく脂質中心のエネルギー代謝を行う体質の事です。
低糖質でインスリンの追加分泌を抑えていると、脂肪細胞に貯えられた体脂肪が分解されて生じる脂肪酸が増える。そこで生じるのがケトン体である。
(『mark』05号 P.43より http://mag.onyourmark.jp/2015/10/mark05/83701)
(引用文中の太字はブログ著者にて付けました)
そしてこのケトン体は脳のエネルギー源にもなります。
私も最近まで糖質しか脳のエネルギーにはならないと思っていましたが、今では古い知識になってしまったようです。
1日60g以下に糖質摂取を抑えてやると半日でケトン体を使うケトジェニックな体質になれる
(『mark』05号 P.44より http://mag.onyourmark.jp/2015/10/mark05/83701)
(引用文中の太字はブログ著者にて付けました)
今度こそ朗報です。
体脂肪を消費するケトジェニックな体質になるのは方法としては難しく無さそうです。*8
この44ページの最後には糖質を制限するときはタンパク質を減らさないことが大切であると書かれています。タンパク質が減ると筋肉が分解されて代謝が落ちやすいからとので良質のタンパク質を補うようにと書かれています。
もう脂質の摂取を増やすことを恐れてはいけない
上の言葉は44ページの見出しの一部です。
糖質を減らした上で必要なカロリーを摂取する為には、食事の中の脂質の割合が相対的に増えます。
でもご安心ください。
最新の科学の下では、脂質を毛嫌いする必要はありません。
より精度の高い21世紀の研究で脂質悪玉説は否定された。それどころか脂質の摂取はむしろ健康的というエビデンスが蓄積されて、2014年にアメリカの『タイム』誌が「バターを食べよう(Eat Butter.)」という特集を組んで話題となった。
(『mark』05号 P.45より http://mag.onyourmark.jp/2015/10/mark05/83701)
悪玉という言葉を聞くと脂質の中でもコレステロールを思い浮かべてしまいます。
そのコレステロールでさえ、摂取上限量の制限が撤廃されてきています。
この日本でさえ、です。
【健康の指針】食事コレステロールもう気にしなくていい? 「血中濃度と無関係」 厚労省は抑制目標値「撤廃」(1/3ページ) - 産経ニュース
肉、脂、バッチコイです!!
とは言っても例外もあります。
ただし要注意の脂質もある。ファストフードや加工食品に多いトランス脂肪酸、酸化した古い油に含まれる過酸化脂質は有害だから健康のために控えたい。
(『mark』05号 P.45より http://mag.onyourmark.jp/2015/10/mark05/83701)
(引用文中の太字はブログ著者にて付けました)
これらについてはご存知の通りですね。
今週のお題は 「今年買って良かったモノ」
今回紹介した「データでみる低糖質ダイエット」の記事が書かれている本誌である『mark』05号には、上記のさまざまな内容の情報ソース/エビデンスやグラフが載っています。ぜひご覧ください。
さらには、他にも長距離ランナーのヒントになるような記事が満載です。
つまり私の「今年買って良かったモノ」という事でした。^^
さいごに
長々とインスリンの働きや糖質・脂質の摂取に関する情報の紹介をしてきたわけですが、最後に有森裕子さんの以下の記事を紹介します。
→マラソンは体との対話、情報に振り回されないで(有森裕子) :日本経済新聞 https://t.co/cHeQdDxKkl
— fukuihi (@fukuihi) 2015年11月28日
ランナーの方々でしたら自分の身体との対話の重要性は理解されているかと思います。
人は工業製品ではありませんから正に人それぞれです。
様々な情報をトレーニングや生活に取り入れるには、鵜呑みにせずにご自身の検証は必須かと思います。合う合わないを適切に判断する事が大事です。
こちらからは以上になります。
【参考記事】
今回の記事に興味を持たれた方は、以下の記事で紹介しているいくつかの本にも興味を持たれるのではないでしょうか。
完全に私論で何らかのお墨付きがあるわけでもありませんが、私の体験からのダイエット系の記事も書いてます。