心拍数について
とあるきっかけがありましたので、今時点の、心拍数に関する自分の知識の整理をここにしておこうかと思った次第です。
なお、自分の知識の整理ですので、本記事を読まれるのはランナー、それも市民ランナーを前提としています。
心拍数の計り方
ランニングウォッチで計るのが一般的かつ、精度とお手軽さのバランスがとれた方法でしょう。
これまでポピュラーだったのは、こちらの写真で時計の後ろに写っているような心拍計付きのベルトを胸に巻いて心拍数を計る方式でした。現在私が使っているのもこのタイプ。
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一方、こちらのようなウォッチ本体に脈拍計*1が付いているタイプの物もあり、最近は測定精度が上がっているらしいです。
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ベルトを付けなくていいのでお手軽さにかけてはこの上なしというところでしょうか。
精度と電池の持ちが心拍ベルト方式並になれば、こちらのほうがダンゼンいいですね。
また最近は活動量計*2もすごいスピードで高性能化していますし、東京オリンピックというバイアスがありますからこの方面の進化は想像以上になるんじゃないでしょうか。
そのうちに、わざわざランニングウォッチで計測することもなくなるのかもしれません。
さらにはグラス型のディスプレイが普及してくると、腕時計を付けること自体がなくなっている、つまりランニングウォッチというカテゴリが無くなっているかもしれませんね。
ランニングで心拍数を計る意味
大きくは以下の2つの意味があるという認識です。
- 運動強度を知りトレーニングに活かす
- LT値を認識してレースを組み立てる
運動強度について
平地でのロードランニングですとペースを元に身体への負荷を推し量る事ができます。
実際にネガティブスプリットのように、マラソンの前半で身体負荷を抑える事をペースで語ります。
しかしアップダウンの激しいトレイルランニングや、ランだけでなくバイク、スイムがセットになるトライアスロンなどではランニングのペースでは身体負荷を推し量る事が難しいです。
そこで心拍数を元に身体への負荷を知ろうというわけです。
心拍計で求まる運動強度とは、心肺機能に対する負荷という事です。
例えば脚への直接的な負荷は計れません。
ただ心肺機能に対する負荷が上がり限界になると酸素供給に影響するため、全身に影響が出ることになりますので脚への影響もあります。
運動強度の表し方
運動強度は、安静時心拍数~最大心拍数までの間を5つのゾーンに分けて表します。
50%以下の数字はあまり意味が無いので60%以下をレベル1のゾーンとして、以降10%刻みでゾーン分けをしたりしています。
この運動強度が分かることによって効率的なトレーニングができるようになります。
詳しい事は心拍トレーニングで調べると分かるかと思いますし、心拍計付きランニングウォッチのメーカーからも情報が出ていると思います。
[参考]
ランニング強度の目印に。「心拍」トレーニングの基本。/佐藤光子 | Polar Japan
最大心拍数について
最大心拍数を求める計算式にもいろいろあって、 Wikipedia などいろいろな所に掲載されていますが、どれも精度には難があります。
そもそも「一般的な成人」は月間100キロも走りませんし、アスリートの場合は係数を掛けるような式の場合でも自分がその式が想定しているアスリートに当てはまるのか不明ですし。
したがって運動強度を計るために最大心拍数を求める場合は、実測以外は意味がないという事です。
カーディアックドリフト
体内の水分量が減ってくると心拍数が高くなる傾向があります。これをカーディアックドリフトと言います。
同じペースで走っていても夏はシンドイのはこれも影響しています。
持久走には水分補給が大事ということです。
LT値とは
運動強度が上がっていくと心拍ゾーンのレベル3とレベル4の境界辺りで酸素供給が間に合わなくなり、有酸素運動から無酸素運動に切り替わります。
無酸素運動になると疲労物質である乳酸が発生し筋肉に溜まり始めます。
この乳酸が発生し始める境の心拍数をLT値といいます。
有酸素運動ではエネルギー源として脂肪も使われます。
つまりLT値以下の心拍数で走れば、乳酸の発生を抑え、脂肪を燃焼させることでエネルギー切れのまでの時間を延ばせ、長時間走ることが可能になるという事です。
この辺に関しては 、LT値という言葉は使っていませんがこちらの記事も参考になるかと思います。
ロングトレイルレースを走りきる 鏑木 毅 | Polar Japan
以上です。
*1:心拍数と脈拍数の関係についてはこちら エプソンの脈拍計測技術 のページをどうぞ