あの極寒の日曜の第7回千羽海崖トレイルランニングレース参戦記 その4
40年ぶりの寒波が来襲して全国的に雪模様だった1月24日に、奇跡的に晴天の中で開催された第7回千羽海崖トレイルランニングレースの参加レポートのその4です。
ここまでは順調だった身体ですが唐突に終了します。
そしてレースも終了します。
前回までの記事はこちらです。
~第2関門
下の図の④が前回の記事の最後で到着した階段上のピーク。
そこから第2関門の⑤までの4kmを一気に下る。
(白線が高度、オレンジ線が心拍数)
道はここからは林道。私が嫌いな道。
林道は土が固く締まり、大きめの石がその中に埋まっていたり、転がっていたりして走りづらい。
いつもならペースダウンするところだが今回は違う。
キロ6分前後のペースで駆け下りる。
時々石を踏んで足首がグキッと曲がるが、自然に膝が抜けてバランスを取ってくれる。
問題ない。
林道を30分ちょっとで下り抜けアスファルトの道路を少し走ると第2関門。
11時5分に第2関門を通過。
第2関門はスタッフが2名居ただけで、誰も立ち止まっていないので私もそのままスルー。
トイレがあるはずだが見当たらない。
後で資料をよく見ると、地図上の第2関門の図にはトイレマークが書かれているが、高低図の第2関門の図にはトイレマークが書かれていない。
危なかった。第1関門で小用を済ませておいてよかった。
~第3関門
第2関門を過ぎるとすぐにまたトレイル入口に着く。
ここで再びドーナツを一口かじる。
ここからさっきの図の⑥のピークまでの2km弱で340mほどを上る。
ここは階段ではなく山道。
ところどころ土の壁のようなところを直登する箇所が何度も出てくるタフな登り。
今日が晴れでよかった。
雨でぬかるんでいたり、地面が凍っていたりしたらとても進めなかった。
ここまでは調子が良かったがこの登りで大分身体に疲れが出てきた。
50分かけて⑥のピークに到着。
ピークからのアップダウンを走ると気がついた。
下りで走れなくなっている。 限界に近づいているのだ。
トレイル脇の岩の上に座り、ザックからとっておきを取り出す。
今回のとっておきはコーヒーだ。
カフェイン入りのジェルではなく、コーヒーそのものを持ってきた。
これを注入。おいしい。
コーヒーを飲んでいると目の前を制限時間のペーサーの方が、何人かの集団とともに過ぎていった。
ペーサーの方は関門の数分前に到着するように走ってくれている。
スイーパーの方が来る前に再び出発。
ピークの辺りで撮った写真。
ルートを示すためのスタッフの方が居たので「第3関門はもうすぐですか?」と聞くと「あと2km弱だけど、あと13分」との事。
時計を見ると12時2分から3分に切り替わったところ。
第3関門の制限時間の12時15分まであと12分。
この斜度のある下りのシングルトラックをキロ6分で走れという事か。
だけど海を走るためには第3関門をクリアしなければならない。
走るしかない。
さっきのコーヒーが効いてきたのか、スピードが上げられる。
何人かを追い越し、12時13分に第3関門を通過。
そのまま海を目指す。
~第4関門
まだ標高が100mほどあるので海岸までアスファルトの道路を下る。
しかしもうスピードが出ない。
先の図で⑦の第③関門から⑧の海岸までのオレンジの線で表されている心拍数を見ても全然心拍数が上げられなくなっていることが分かる。
心肺も終了だ。
どんどん追いぬかれてゆく。
海に辿り着く前にスイーパーの方に追いつかれる。
私のような遅足のランナーにとってスイーパーの方の人柄は大事である。
とある大会で次の関門までガンバるという気力を奪われるスイーパーの方と当たったことがある。
自分としては時間がかかっても次の関門まで進みたかったのだが、そのスイーパーの方はそうは思わないようであった。そして上りの途中で気力が尽きた私はリタイアを宣言して通り過ぎた関門まで引き返すこととなった。
幸い今回のスイーパーの方はこのスイープでのランを楽しんでくださっているようであり安心できた。
海岸に到着。ここを走りたかったのだ。
きれいだ。
こんなところも走る。
砂浜もあるが上のような岩場もある。
そして多くは玉砂利のような大粒の石の上を走る必要があり、これが体力を削られる。
海岸に降りてすぐ、脚が終わっている事に気がついた。
それでも騙しながら進む。
岩場の上は案外進めるのだが玉砂利の上は全然進まない。
その進みやすい岩場も、脚が終わっているので持ち上げたつもりの脚が上がっておらず思わぬ所でつまづいて、たたらを踏む。*1
そしてこの海岸、2kmちょっとの距離ではあるが案外長い。
去年は逆方向に進んだがやはり長いと感じた。
50分強をかけて海岸を渡り切る。
しかし第4関門まではまだ進まなくてはならない。
しかも上方向に100m離れている。
終わった脚と心肺でのろのろと第4関門に向かって坂を登ってゆく。
アスファルトの道路に出て、少し傾斜がゆるくなってしばらく進むと第4関門に到着。
時間オーバーで、5時間25分の23kmの旅は終了。
ゴール地点
第4関門にはすでにマイクロバスが待機してくれていたのでさっそく乗車。
例のごとく、すごく眠いので早く眠りたかったのだ。
うつらうつらしているとゴール地点に到着。
バスを降りるとこれが寒い寒い。バスに乗る前は全然寒くなかったのに。
風が冷たい。
炊き出しのうどんをもらって、日の当たるテーブルについても寒い。
うどんもあっという間に冷めてゆく。食べても全然温まらない。
ちなみにこのうどんは、讃岐うどんとはぜんぜん違う、昔のうどんである。
コシはないが日和佐の町並みと相まってノスタルジーを感じられる。
だが寒い。
今日は感傷に浸っていられる状況ではない。
早々に預けた荷物と温泉券を受け取って、温泉へ直行する。
閉会式は見たかったが止まっていると凍えてしまう。
湯船から海を一望にできる温泉に入って、着替えるとさすがに温まった。
それでも外は風が冷たい。最終ランナーまで待つのはキビシイ。
気分も悪くなり吐き気もする。*2
表彰を少し見て帰路につく。
帰路
帰りは海側のルートを走った。
阿南市まではお天気もよく普通に走れたが、そのうち進行方向の雲行きが怪しくなってきて、小松島市に入るやいなや雪となり再び雪上を走ることとなった。
途中、前日に鏑木選手が記念撮影してFacebookに投稿していた場所の近くを通ったのでその場所に寄って昨日とのギャップをツイートしたい誘惑に駆られたが、その思いを振り切り無事に帰り着く事を第一優先で帰った。
雪で始まり、雪で終わった一日ではあるが、その間のトレイルを走っている時間は別世界であり、気持よく走ることができた。
長距離が走れない身体になっているようなのでしばらくはトレランレースは控える事になると思うが、その節目のレースとしてはいいレースだったと思う。
現場からは以上です。
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